Special #2
マンネリ部屋が盛れる、
“ちょい足し”インテリア術
インテリアスタイリスト窪川勝哉氏インタビュー
インテリア業界のトップスタイリストとして幅広い分野で活躍する窪川勝哉氏が、
部屋の雰囲気を効果的にアップデートできる、DUENDEのマストバイアイテムを3つご紹介。
空間を素敵に見せるロジックや、プロならではのスタイリングアイデアは必見です!
ワンアイテムで空間が“映える”、インテリアアプデ術
アイテムの組み合わせやスタイリング次第で、長く使い続けられる。また、スチールという素材の魅力で、自分だけのアレンジも楽しめる。
Select01_TUBE & ROD
部屋のインテリアを考える上でまず注意したいのは、直線だけに支配されないこと。ベッドやシェルフの多くはすべて直線と直角でできていて、四角い箱型の部屋に、四角い家具をまっすぐに置くという単調な構成になりがちです。
バブルの時代、「ARCO」というアーチ形の照明が流行りましたが、四角い部屋の中に弧を描くようなラインをプラスすることで、空間に遊びを感じさせることができます。ダイニングテーブルやラグなども丸やオーバル型のアイテムを選べば、直線に支配された空間に動きや変化が出てきます。そして、曲線だけでなく実は斜めのラインというのも、すごく心地良いアクセントになります。
そうしたギミックが集約されているのが、このTUBE & ROD。天板やベース、支柱に至るまで、すべてのパーツが丸型で構成され、心地よい斜めの角度で支える支柱が、空間に動きをもたらしてくれるサイドテーブルです。
おすすめの使い方は?
高さは700mmとやや高めな作りになっているため、ベッドやソファに少しかませて使うのがいいと思います。
天板に対して支柱が斜めに付いているため、使用時の距離感も調整しやすいです。また、コンパクトなサイズ感で、玄関などでオブジェを置くコンソールテーブル(飾り棚)として使うのも素敵だと思います。
スチール製ながら意外と軽量なので、使いたい場所へ手軽に持ち運べるのも便利です。とてもミニマルなデザインで安定感もあり、汎用性の高いプロダクトだと思います。
カラー選びのコツは?
部屋の中で簡単に変えられないのが、建具や床の色。例えば、建具の色がダークブラウンなら黒天板、ライト系なら白天板が合いやすいです。
また、白い壁紙の部屋であれば、その空間に馴染ませるか、アクセントにするかによって、色を選ぶと良いと思います。
木目のアイテムは必ずトーンを合わせようとする方もいらっしゃいますが、実はそこまでこだわる必要はありません。全体的にナチュラルな雰囲気の部屋でも、意外とダークカラーがアクセントとして利いてくることもあります。
特にDUENDEの商品は、主張が強すぎるようなプロダクトはあまりないので、その点はあまり意識しなくていいと思います。
細いスチールロッドを使ったマルチホルダーで、まるで一筆書きのように華奢なラインが美しいTILL。
白やグレーの壁がある空間にこれを置くだけで、壁をキャンバスにスチールのフレームで線画を描いたような、アーティスティックな印象を与えてくれる、僕も大好きなプロダクトです。
おすすめの使い方は?
家の顔となる玄関を印象付けるアイテムとして、非常におすすめの一品です。
上部にあるトレー部分と直角に曲がったハンギング部分で様々な使い方ができますが、プロダクトとしての美しさを楽しむには、あまり物を満載にしてしまっては台無しです。
写真にもあるように、うちでは傘や掃除用ブラシを掛け、トレーには除菌スプレーとドライフラワーを置いていますが、玄関に必要な機能と演出をこれ一つで兼ねられます。
ロッドに掛けられる同素材のS字フックも付属しているので、エアープランツやスワッグ、小さいランタンなどを吊り下げてアレンジも楽しめます。 また、意外な使い方としてはトイレもありです。ハンギング部分にペーパーホルダーを取り付けて、トレーにディフューザーを置いてもいいですね。
このプロダクトはアウトラインを楽しみたいので、白壁に白を選んでしまうとせっかくのこの美しいラインが、壁に馴染んでしまいます。僕が個人的に選ぶなら、ブラックがいいかなと思います。
一般的な天井のライトで上からバーンと光を当てると、その空間にはまったく陰影が出なくなってしまいます。そこで、ぜひ取り入れたいのが間接照明です。 オブジェなどは1つ置いても部屋の印象はあまり変わりませんが、照明は置いたエリア全体の雰囲気を変化させる効果があります。
このTONG LIGHTは、正面と横向きがまったく異なるデザインで、様々な表情が楽しめます。また、上から覗いても眩しくないミラー電球を使っているので、比較的低い位置に置いても良いですし、見上げるよう角度にあっても素敵です。
おすすめの使い方は?
キッチンツールのトングをモチーフに、電球ソケットを挟んだだけのシンプルなデザインのTONG LIGHTは、ネーミング通りキッチンカウンターのアクセントに置いてみても面白いと思います。
このプロダクトもスチール製なので、マグネットでメニューやレシピを留めておいても、冷蔵庫ほど生活感も出なくてお洒落ですよね。
もちろん、ベッドやソファサイド、シェルフに置いても絵になる照明です。
ベストな設置場所は?
僕は照明の置き場所を考える時、まずは長めの延長コードを繋げて、照明を持ちながら部屋の中をぐるぐると歩き回ります。
そうすると、観葉植物や家具などの影が面白く映ったりする意外なポイントがあり、自分の部屋だけどいままでとはまた違った魅力を発見することができます。
TONG LIGHTなら置き場所だけでなく、向きを変えてみるだけでも光の陰影が変化するので、ぜひ試してみて欲しいですね。
インテリアの世界では、ミニマルでグレイッシュな世界観がトレンドとしてしばらく継続しています。
しかし、トレンドがどれだけ変化しても、合わないテイストがほとんどないところが、DUENDE最大の魅力だと僕は思います。
そんなDUENDEだからこそできる、インテリアのアップデートを楽しんでみてください。
窪川勝哉(くぼかわ かつや)
1974年山梨県生まれ。インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いインテリアスタイリスト。TV番組のインテリアコーナーや雑誌のインテリアページなど、メディアでのスタイリングに加え、ウインドウディスプレイやイベントのデコレーションなども手掛ける。