開発ストーリー
DELTA HANGER DEVELOPMENT STORY
Q1:こちらの壁掛け式ハンガーの開発の経緯は?
プロダクトデザイナーの高野潤氏に、壁掛け式のハンガーラックのデザイン開発を依頼し、コンセプトから、ともに創り上げた製品です。
ハンガーの必要要素としては、あまりスペースを取らずに置くことができるコートハンガー。
部屋のちょっとしたスペースに設置できて、ジャケットやシャツなら10着くらい掛けられるもの。
使い勝手がよく、来客時などにコートを掛けておく場所が簡単に作れるように、移動も可能な壁掛け式。
素材は木材とスチールで、それぞれの素材の利点をうまく使ってデザインしてほしいと、デザイナーには多くのリクエストを出しました。
Q2:デザインのコンセプトや製品の仕様はどのようにして決まったのか
打ち合わせの中で、一本木材の支柱がすっと伸びているデザインイメージを頂き、木材はオークの無垢材を使うことになりましたが、150cmほどの一本の無垢材を使用すると材料がとても高価になることと、木材自体に反りや割れの問題が発生するため、支柱は上下に分割することを前提としていました。
全体イメージをCGで描いてくださり、デザインの決め手となる提案を頂きました。
普通は丸パイプや棒で出来ているハンガーバーを、スチールのプレートで作るのはいかがですか?と。
これが一本の支柱から、ハンガーを掛ける部分を
“厚みのあるスチールの板を曲げて三角形に創り出す″
というデザインのコンセプトが決定したのです。
※製品の名称DELTAの由来
デルタ(Δ/δ/delta)ギリシャ文字の第4字、三角形をしたもの。
上部のハンガー部のデザインが固まり、ベースも同じく厚いスチールのプレートに統一し、正面から見るとローマ数字の「I」のような特徴的な形状が具体化しました。
支柱は木部のど真ん中に溝を彫り込みスチールのプレートをはめ込んで外から固定する方法にし、製品を斜めに設置した際の76°にカットした上下の接合部分も、美しい仕上がりです。
この突起したパーツは、DELTAを設置した際に出るデッドスペースをカバンなどを掛ける為のフック機能としても兼ね備えており、荷重が掛かることで壁に立て掛けたときの安定性も高まるといった二重のメリットがあります。
Q3:製品化する際にこだわった点など
左右貫通した穴を開けると穴位置がズレることもありませんが、横から見たときにネジが4つ出てしまうため、左側からの固定と、右側からの固定の位置を変えることで上下木材に使用するネジが2つで済む仕様にしています。
無垢の木材の加工は職人さんの手作業に頼るところが多く、削りだした木材の寸法の交差(誤差)で穴位置が合わなくなる危険性が非常に高いことから、木工の加工現場を訪れて、実際の穴開け加工の手順に関する検証作業も繰り返しおこなっています。
お家の中のちょっとしたスペースを活用しハンガーに並んだ服を眺めながら、コーディネートを決めたりお出かけや学校に着ていく服や鞄を準備しておくストック用にと、置いてみたらすごく便利なハンガーラックが素敵なインテリアの仲間として皆さまにお届け出来ると考え、製品となりました。